切削加工・熱間鍛造加工による量産品の工法変換によりリードタイム削減・コストダウンを実現!

冷間鍛造.com

お問い合わせ
フォーム
資料ダウンロード お電話での
お問い合わせ

column

シャフトの冷間鍛造化

インターミディエイトシャフトの進化とミナミダの精密冷間鍛造技術

ミナミダは、自動車や建設機械業界の企業様に対して、インターミディエイトシャフトを製造してきました。本項は下記にて解説いたします。

電動化が進む現代において、車両の効率性、静粛性、そして安全性への要求は高まる一方です。インターミディエイトシャフトは、単なる動力伝達部品に留まらず、これらの要求を満たすための重要な役割を担っています。ミナミダは、長年培ってきました精密冷間鍛造技術により、次世代の車両に求められる高性能なインターミディエイトシャフトを提供し、モビリティ社会の発展に貢献していきます。詳しくは下記をご覧ください。

1.インターミディエイトシャフトとは?種類と特徴を解説

インターミディエイトシャフトとは、主に自動車の駆動系において、動力源と駆動輪の間をつなぐ中間軸のことです。その名の通り、複数の部品の「中間」に位置し、動力伝達や振動吸収、角度変更といった重要な役割を果たします。

EV車両においても、モーターの動力を減速機やデファレンシャルギア、さらには駆動輪へと効率的に伝えるために不可欠な部品です。インターミディエイトシャフトは、その用途や配置によって様々な種類がありますが、ここでは代表的なものを挙げます。

  • プロペラシャフト(ドライブシャフト)の一部として: 特に後輪駆動車や四輪駆動車において、トランスミッションからデファレンシャルギアへ動力を伝えるプロペラシャフトや、デファレンシャルギアから駆動輪へ動力を伝えるドライブシャフトの一部として、インターミディエイトシャフトが用いられることがあります。車両のサスペンションの動きに合わせて、シャフトの長さを変化させたり、角度を吸収したりするためにスプラインやユニバーサルジョイントが組み込まれるのが特徴です。
  • ステアリングシステムにおける中間軸: ステアリングホイールの回転を、操舵輪を動かすステアリングギアボックスに伝えるための中間軸としても使用されます。この場合、車両の衝突時にドライバーへの衝撃を緩和するための伸縮機能や、路面からの不快な振動を吸収する機能が求められます。
  • その他、各種駆動装置内の中間軸: 建設機械や産業機械においても、複数のギアや部品を連結し、動力を伝達する中間軸として幅広く使用されています。

これらのインターミディエイトシャフトは、車両の走行性能や安全性を左右する重要な部品であり、高い強度、耐久性、そして精密な寸法精度が求められます。

2.インターミディエイトシャフトがどのような用途で使われるのか?

インターミディエイトシャフトは、おもに以下のような自動車や建設機械のEVバッテリー関連、あるいは一般的な車両の駆動システムにおいて使用されています。

  • EV車両の駆動システム: EVでは、モーターの回転動力を効率よくタイヤに伝えるために、減速機やデファレンシャルギアを経由します。この動力伝達経路において、それぞれの部品間を接続する中間軸としてインターミディエイトシャフトが機能します。高出力なEVモーターからのトルクに耐えうる強度と、高回転域での振動を抑えるバランス性能が特に重要となります。また、EVバッテリーを効率よく配置するために、駆動系のレイアウトが複雑になることがあり、最適な角度変更や伸縮機能を持つインターミディエイトシャフトが不可欠となります。
  • 建設機械の動力伝達: 大型建設機械では、エンジン(またはモーター)から各作業装置(アーム、バケットなど)や走行装置へ動力を伝達するために、複数のシャフトが連結されます。インターミディエイトシャフトは、これらの連結部において、角度のズレを吸収したり、衝撃を緩和したりする役割を担います。特に過酷な使用環境下では、耐摩耗性や耐疲労性に優れたインターミディエイトシャフトが求められます。
  • ステアリングシステム: 前述の通り、ステアリングホイールとステアリングギアボックスを繋ぐ中間軸として機能し、円滑な操舵感を確保します。衝突安全性能の一環として、衝撃吸収機能を持たせた伸縮可能なインターミディエイトシャフトも存在します。
  • 各種補助装置の駆動: エアコンコンプレッサーや発電機など、エンジンやモーターの動力を利用する補助装置への動力伝達にも、インターミディエイトシャフトが用いられることがあります。

これらの用途において、インターミディエイトシャフトは、車両全体の性能と安全性を左右する重要な役割を担っており、その品質は極めて重要です。

3.インターミディエイトシャフトの素材選定におけるポイント

インターミディエイトシャフトは、常に高い応力と疲労に晒される部品であるため、適切な素材選定がその性能と寿命を大きく左右します。特にEV車両や建設機械といった過酷な環境下で使用される場合、以下のポイントを考慮して素材を選定する必要があります。

  • 強度と剛性: 高いトルク伝達に耐え、曲げやねじれによる変形を最小限に抑えるためには、高い引張強度とねじり剛性を持つ素材が不可欠です。
  • 疲労強度: 繰り返し荷重に晒されるため、疲労破壊を起こしにくい高い疲労強度を持つ素材が求められます。熱処理や表面処理によって疲労強度を高めることも検討されます。
  • 耐摩耗性: スプライン部やジョイント部など、摺動が発生する箇所では、優れた耐摩耗性が必要です。浸炭焼入れなどの表面硬化処理が施されることもあります。
  • 軽量化: EV化の進展に伴い、車両全体の軽量化が喫緊の課題となっています。可能な限り高強度で軽量な素材を選定することで、電費向上や走行性能向上に貢献します。
  • 加工性: 複雑な形状や高い寸法精度が求められるため、加工性に優れていることも重要な選定ポイントとなります。
  • コスト: 量産部品であるため、性能とコストのバランスも考慮する必要があります。

一般的に、インターミディエイトシャフトの素材としては、SC材(機械構造用炭素鋼)やSCM材(クロムモリブデン鋼)などの合金鋼が広く使用されます。これらの素材は、熱処理によって強度や靭性を調整できるため、用途に応じた最適な特性を引き出すことが可能です。ミナミダは、お客様の要求仕様に基づき、最適な素材選定から熱処理、表面処理まで一貫して提案し、高品質なインターミディエイトシャフトの製造を可能にします。

4.ミナミダが提供する冷間鍛造によるインターミディエイトシャフト成形の特徴

ミナミダは、長年にわたる精密冷間鍛造の経験と実績を活かし、高性能なインターミディエイトシャフトの製造を得意としています。冷間鍛造とは、常温で金属材料に高い圧力を加え、塑性変形させることで部品を成形する加工技術です。この技術は、インターミディエイトシャフト製造において、特に以下の大きなメリットをもたらします。

  • 高精度な寸法安定性: 冷間鍛造は、材料を圧縮しながら成形するため、高い寸法精度と優れた面粗度を実現できます。これにより、シャフトのバランス性能が向上し、高速回転時における振動や異音を抑制します。
  • 優れた機械的特性の向上: 冷間鍛造によって、金属材料の結晶組織が密になり、流線が加工方向に沿って整列します(ファイバーフロー)。この加工硬化により、引張強度、降伏強度、疲労強度といった機械的特性が飛躍的に向上します。特に、繰り返し応力がかかるインターミディエイトシャフトにおいては、疲労寿命の延長に大きく貢献します。
  • 材料歩留まりの向上とコスト削減: 切削加工に比べて材料の無駄が極めて少ないため、材料費を大幅に削減できます。また、後工程での切削加工量を削減できるため、加工時間短縮と工具コストの低減にもつながり、トータルコストの削減に貢献します。
  • 高い生産性: 多段フォーマーなどの専用機を用いることで、複雑な形状の部品も短時間で連続的に成形できるため、EV市場の拡大に伴う大量生産にも柔軟に対応できます。

ミナミダは、お客様の要求に応じて、シャフトの軸径や全長、スプラインの有無、ジョイント部の形状など、多様な仕様のインターミディエイトシャフトを冷間鍛造で製造いたします。設計段階から参画し、お客様のニーズに最適なソリューションを提案することで、EV車両の性能向上に貢献します。

5.ミナミダが過去製造したインターミディエイトシャフト事例

ミナミダはこれまで、自動車産業を中心に、様々な駆動部品の製造実績を豊富に持っています。インターミディエイトシャフトにおいても、その高い技術力と品質管理体制が評価されています。

具体的なインターミディエイトシャフトの製造事例として、ミナミダでは過去に以下のような部品を手掛けてきました。

  • 自動車駆動系用シャフト: 自動車の駆動系において、エンジン(またはモーター)の動力を車輪に伝える各種シャフトの製造実績がある。これらのシャフトは、高トルク伝達と高回転に耐えうる強度、そして振動を最小限に抑える高精度なバランスが求められる。ミナミダの冷間鍛造技術は、これらの要求を高いレベルで満たしてきた。

ミナミダの冷間鍛造技術は、常に最先端の自動車部品の要求に応え続けています。EV化の進展により、インターミディエイトシャフトには、さらなる軽量化、高強度化、高精度化が求められますが、ミナミダはこれらの課題に対し、豊富な経験と独自の技術力で最適なソリューションを提供します。

インターミディエイトシャフトに関するご相談があれば、ぜひミナミダまで問い合わせください。