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冷間鍛造の加工工程
冷間鍛造加工では常温下で素材に一定の力を加えることで、素材の直径の拡大や縮小、素材の長さの伸張や中心部の穴あけを組み合わせることによって、必要となる最終形状を得ることができます。
冷間鍛造の加工工程例
材料の外形を大きくするには据え込みや側方押し出し、外形を小さくするには押し出しやしごきを行うことで加工が可能となります。また、材料の中心に穴を空ける加工方法としてはカップ押し出しと呼ばれる方法があります。これらの加工方法を組み合わせることによって最終形状にさせます。
冷間鍛造加工では、1回の打撃で加工するのではなく、複数の加工方法を組み合わせ、多くの工程を用いることで最終形状を得ますが、これは一度で大きな加工度を材料に与えると加工面圧が過大になってしまい、材料割れや加工硬化によって金型の破損が起こってしまうからです。
また、冷間鍛造の工程設計は鍛造図面から必要となる、いくつかの変形工程を想定しておき、各変形工程における材料の成形荷重と流れなどを検討し、金型を設計、試し打ち、工程修正が行われます。
冷間鍛造の工程設計
参考文献 日本塑性加工学会・鍛造分科会『わかりやすい鍛造加工』